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―――― それから毎週日曜日、和ちゃんとの勉強会を開いた。 ……開くことになっていた。 「最低でも、軽音部が終わるころには今の私ぐらいの偏差値になっておきなさい」 「それで間に合うの?」 「間に合わせるわ」 強い口調でぴしゃりと言う。 和ちゃんらしくなかった。和ちゃんならもっと真剣に考えてくれる。 たとえ結果として私に辛辣なことを言うことになっても、 私のためを思って助言してくれる。和ちゃんの好きなところのひとつ、なのに。 「ねえ、和ちゃん……」 不安が波のように、時折引きながら寄せてきて、だんだんと近付いてきた。 「わたしが和ちゃんの大学についていくの……いや?」 訊いてはいけないことだったかもしれない。 和ちゃんの顔が、ちょっぴり凍る。 でも、もう言葉に出してしまった。 告白もこんな風に言えたらいいのにな、と場違いなことを考える。 「……うれしかったわ。唯がついてきてくれて」 「……」 喜べない。 これは和ちゃんの話の、前置きにすぎないと分かるから。 「でも、なんていうか……決して、唯が嫌いって訳じゃないのよ?」 「ただ唯は……軽音部に入ってから、変わったと思うから」 和ちゃんは大きく息を吸う。 「私ね。今まで私は、唯のお母さんみたいな存在だって自分を思ってたの」 「……澪ちゃんも言ってたよ。お母さんみたいだって」 「だけど、軽音部に入った唯を見ていると、違ったかなって思うの」 「違う?」 「私は唯のお母さん……お母さん代わりにもなれないし」 「なる必要なんて、なかったかなって」 「和ちゃん……? よく意味がわかんないよ」 おかしい。 和ちゃんを全力で追いかけているはずなのに、 その姿は私のほうを向きながら、ぐんぐん遠くへ飛んでいってしまう。 「気持ちとしては、娘を嫁に送ったような感じだったの」 「ちょっとした寂しさと、よろしくお願いしますって気持ち」 和ちゃんは悲しげな目をしていたけれど、やっぱり笑った。 「唯はね……軽音部にもらわれたんだと思うから」 「律と、澪と、ムギと。同じ大学を目指すべきなのよ」 胸の奥から、強烈な衝撃がつきあげてくる。 心臓の鼓動に、肩まで揺らされた。 「……和ちゃん」 あぁ、だめだよ。 今言うことじゃないよ、言わなきゃって思っちゃったのはわかるけど。 頭のどこかから、私の声で警告が聞こえる。 「そんなの和ちゃんの勝手だよ。私はそんなのやだ」 「やだって……」 「やだったらやなの! 和ちゃんと離れるなんて絶対いやっ!」 「唯、どうしたの?」 ばか、和ちゃん。それを訊いちゃったら。 「……和ちゃんが好きなのっ!」 「ずっと昔から、ずっとだよ! 私は和ちゃんのこと、小学校のときから……」 和ちゃんの顔がみるみる固まっていく。 「ねぇ覚えてるでしょ、小学校の修学旅行の夜」 「わたし、和ちゃんが好きって言ったよね。あれがほんとの気持ち。天然ボケなんかじゃなかったよ」 わかってる。 こんな勢いに任せて言っちゃいけないことだって。 だけどもう、止まれない。 理由のわからない涙がぼろぼろあふれてくる。 「女の子同士だから、おかしいって思ったけどっ……好きなものは好きで、わたしっ」 「和ちゃん、好きっ、ずっと好きだったの、だから……」 「母親なんて言わないで……私を勝手に見はなさないで!」 にじんだ視界の中、和ちゃんを探して抱きついた。 春服の下の胸が、ぎゅうっと潰れる。 「ずっといっしょだって、約束したじゃん……」 和ちゃんの心臓の音が聞こえる。 私の鼻が鳴らす雑音が邪魔だった。 和ちゃんの胸に顔を押し付けたまま、時間が過ぎる。 言葉の氾濫はおさまったみたいだった。 「……ずっと」 やがて、和ちゃんは静かに言った。 「?」 「ずっと友達だって、言ったのよ」 「……」 「無理よ、唯……わたしは」 「唯をそういう風に見たことがないし、これからも見れないわ」 「……ごめんなさい」 わたしが最低でも6年いだいた想いは、 1分とたたず、うち砕かれた。 「そっか、そうだよね」 私はそっと和ちゃんをつかまえていた手を外して、座りなおす。 和ちゃんの服に広がった涙のしみを見て、きっと大した悲しみではないと思うことにした。 「ごめん、おかしなこと言って……」 「……ちょっと、一人にさせてくれない?」 「……」 「お願い」 「……じゃあ、勉強会は中止?」 「そうだね。ていうか、もういいかも」 「一緒の大学行ったって、いつか和ちゃんが離れちゃうなら、もういい」 「……」 「好きになんなきゃよかった……」 「……そんなこと、言ったらだめよ」 テキストを集めてかばんに入れて、和ちゃんはすっと立ち上がった。 「また明日ね、唯」 和ちゃんはそう言って、部屋を出ていった。 私は床に耳を付けて、離れていく和ちゃんの足音をわざわざ聴いた。 「……」 終わっちゃった。 のんびりしてたら思った以上に終わりが近づいてて。 それで焦ったら、あっという間に何もかも終わっちゃってた。 どうするのが、正解だったんだろう? この問題だけは、和ちゃんにも解けないな、って思った。 ―――― 「朝令暮改ですか!?」 翌日、月曜日の軽音部にて、あずにゃんが私の知らない言葉を叫んだ。 「3日もたなかったな……」 「まあ唯にマジメキャラは向いてなかったって事だ!」 「嬉しそうだな、律」 「でも、よかった……」 ムギちゃんが胸をなでおろす。 「ムギ先輩?」 「唯ちゃんが勉強しようとしたのは、和ちゃんと同じ大学行くためでしょ?」 「う、うん……無理だって言われて、諦めちゃったけどね」 「でも私や澪ちゃんは、和ちゃんのK大とは志望校違うし、目指すのも厳しいから……」 「これで唯ちゃんも、一緒の大学来れるわよね?」 ムギちゃんはにこっと笑った。 「あ……」 「おう、私も澪とムギと一緒の大学行くぞ!」 慌てたようにりっちゃんが割り込んできた。 「今きめたでしょ、りっちゃん?」 「だ、だってさぁ!」 「まったく……」 仕方ないな、という感じの笑い。 でも、心の奥では。 ……なんだか、和ちゃんの言ったことが、わかったような気がした。 「いいじゃん。りっちゃん、みんなで一緒の大学目指そうっ!」 「うんっ」 みんなで頷き合う。 そうだ。こうして、友達の中にいるのが、いちばん良いんだ。 もしかしたら和ちゃんは、はなから私の気持ちに気付いていて、 ああいう忠告をしたのかもしれない。 そもそも、本人の前で好きって言っちゃったことあるもんね。 「それじゃ……」 「ティータイムにするか」 「律先輩、このタイミングでそれ言えるの逆にすごいと思います」 「冗談だっつの」 そうだよね。 きっと、こんな時間が好きなだけだったんだ。 ―――― 「……」 「……」 「家まで送るわ、唯」 「うん、ありがとう。和ちゃん」 「……なんかあっけなかったね」 「卒業式? そうね、卒業証書もクラス代表が受け取るだけだものね」 「中学の時は泣いちゃったけど、今年はなんだか……」 「空っぽな感じが、ずっと続いてた」 「虚無感ね。寂しいのよ、唯は」 「んー、やっぱりか。わかってはいたんだ」 「寂しいのは、やっぱり……和ちゃんが遠くに行っちゃうからなのかな」 「……まだ、好きなの?」 「わかんない。そういう気持ちをなくそうとはしてる」 「……忘れられたらいいわね」 「うん。それがいいって思うよ」 「……」 「……あ、公園」 「昔、よく遊んだわね。砂場の砂、みんな外に出しちゃって怒られたかしら」 「あの時はほんとすみませんでした」 「いいのよ。子供の頃のことだし」 「……子供のしたことなら、許せる?」 「?」 「私が和ちゃんを好きになったの……子供の頃のことだけど、許せる?」 「……唯に好きになられて、怒る人なんていないと思うけど?」 「……和ちゃんって、ほんとにばか」 「ええっ?」 「そんなこと言わないでよぉ……またぶり返しちゃったじゃん」 「……熱か風邪みたいな言い方ね」 「はぁ、もう……」 「難儀な人を好きになったよ……いろんな意味で」 「はあーぁ……」 「……唯、歩くの遅くなってるわよ」 「……だって。もうそろそろ、家に着いちゃうし」 「……」 「……」 「ねぇ、和ちゃん」 「なに?」 「……すき、だよ」 「唯……」 「でも。私が和ちゃんをすきなのは、今日までにする」 「今日からあなたは、私の愛した和ちゃんではなく、ただの幼馴染の和ちゃんなのです」 「……」 「……ねえ、眼鏡はずして?」 「あのころの和ちゃんの顔になってくれないかな」 「和ちゃんが、私の親友だったころの……」 「……ええ、いいわよ」 「……」 「……うん、そう」 「なつかしいね。卒園式の日も、こうだった」 「隣にお父さんとお母さんがいたけれど、和ちゃんが送ってくれて……」 「純粋だった。恋を知らない子供だったんだよね」 「……」 「和ちゃん。送ってくれてありがとう」 「もういいの?」 「うん。あ、眼鏡はそのままで」 「……じゃあ、ここで見送ってるわ」 「ん。じゃーね」 「ええ。さよなら、唯」 ありがとう、和ちゃん。 私の気持ち、もういっかい幼稚園からやり直すから。 今度は間違わないようにするから。 そしたら――また、出逢おうね。 おしまい 戻る
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11 名前:1/6[sage] 投稿日:2012/05/13(日) 22 15 41.12 ID S+2wyKKb0 [3/16] 寝ているツンデレの浴衣がはだけて大変危険な状態になっていたら ~前編~ 「やれやれ。みんな寝ちまったか……」 GWの休みを利用して、高校からの腐れ縁である俺と山田、かなみと友子の四人は、 山田の車でささやかな温泉旅行に出掛けた。風呂に入り、飯を食いながら軽くビールを 飲み、また風呂に浸かり、上がったところで友子が嬉しそうに取り出してきたのが。 「ジャカジャーン!!」 「ちょっ……友子。それ何よ?」 「決まってるじゃない。お酒よ、お酒。ジョニ黒にバランタイン。ナポレオンにカミュ。 ワイルドターキーにジャックダニエル。あとウィスキーがダメなら、いいちこ、海童も あるし、ジンとかウォッカもあるわよ~」 「随分いっぱい持って来たなお前。こんだけの量、どうしたんだよ」 「……ものすごく重かったよ。友ちゃん……」 「何言ってんのよ。ほとんど車での移動だったじゃない。たかが積上げと積み下ろしだ けなのに、情けないわね。それでもあたしの下僕?」 「ああ。山田の奴が妙に重い鞄持ってると思ったら、全部これか」 「そうだよ。絶対飲み切れるわけないから、半分でいいって言ったのに」 「こんな量、半分だって飲み切れないわよ。大体私、酒弱いのに~」 「何言ってんのよ、かなみ。こないだの女子会でも散々飲みまくったクセに、今更弱い とか言わせないわよ」 「そ、それ言ったら殺すから。聞いたあんた達もよ?」 「待て待て待て。まだ二十歳超えたばかりで俺は死にたくないぞ?」 「なら聞くな。それにしたって、持込過ぎじゃないこれ?」 「何言ってんのよ。たくさん種類があった方が楽しいじゃない。だからこそ、残っても いいように割って飲むお酒しか持ってこなかったんだから」 「だからって限度ってもんがあんでしょうが!! 友子アンタ、あたしたち殺す気なの?」 「そんなもん自己責任よ、自己責任。何も無理に飲ませて酔い潰そうって訳じゃなし、 何よりお酒は楽しく飲まないとね。ほら、山田。ボケッとしてないでジュースとかお水 とかお茶とか、自販機で買って来なさいよね」 「えええっ? 僕一人で?」 12 名前:2/6[sage] 投稿日:2012/05/13(日) 22 16 07.99 ID S+2wyKKb0 [4/16] 「文句言わない。お酒とおつまみはあたしが提供してんだからさっさと言って来い!!」 なんて勢いで始まった飲み会が、もちろん和気藹々と楽しく進むだけのはずもなかった。 「ほら、山田!! 飲みなさいよ。あたしがお酌してあげてるのに飲めないっての?」 「ちょ、ちょっと待って友ちゃん。目が据わってるから。タカシ、はい交代」 「いや、俺ももう無理だっての。今しがた吐いて来たばっかだし」 「あら? だったら飲み直ししとかないとダメじゃん。大体、かなみだってちゃんと飲 んでるのに、男連中だらしなさすぎ」 「そーよ!! たかひららしねーぞ!!」 「呂律回ってねーぞお前。少しは自重しろって」 「あらひはまららいりょーぶらもん!! ちょっろまっれ……見本みへちゃう……」 「アホ、止めろって。つかそれ、ストレート……」 「ぐはぁっ……おいひー……ほら、らかひ。ろめろめ~」 「だからストレートは死ぬと。やめろ肩抱くな顔近付けるな。ていうか、これお前のコ ップだし、間接キスだぞいいのか?」 「かんへふひっふ~? ほんらもんれれれるらんれ、らかひりゅんろーりゃない。このこのっ!!」 「おぅ……ジーザス……」 と、まさに戦場のごとき修羅場と化した宴会場を抜け出し、風呂で酔い覚ましをした 俺が帰って来て見たものは、まさに国破れて山河ありと言った状況だった。 「うん。物の見事に生存者がいねえ……」 男子部屋の敷かれた布団の上に、かなみ、友子、山田は三者三様の姿で寝こけていた。 「ちっ……どうすっか。こいつら……」 いっそ俺も、脱出せずにあのまま死地に残っていた方が幸せだったのかも知れない。 しかし、このままでは下手をすればみんな風邪を引きかねないし、この部屋には布団が 二組しかない。さすがに女の子には、部屋にお帰り頂こうと、まずは友子の傍による。 「おーい、友子。起きて部屋戻れってば」 耳元で割りと大きな声で呼びかけると、ヒュンと何かが空を切る音がする。咄嗟の判 断で顔を逸らしたその鼻先を、拳が掠めて通った。 「……やかましー……眠いのあたしは……」 寝ぼけたままそう言って、丸まってしまう。気持ち良さそうな顔でスピースピーと寝 息を立ててしまい、声を掛けたくらいではもはや起きそうもなかった。 13 名前:3/6[sage] 投稿日:2012/05/13(日) 22 16 32.71 ID S+2wyKKb0 [5/16] 「かといって、寝ている女の子を勝手に抱きかかえて、無理やり部屋に送還する訳にも いかないしなぁ……」 それより友子ならこのまま部屋に寝かしといても、むしろ特に問題はないだろう。問 題は掛け布団だ。俺はチラリと横目で山田を見た。 「仕方ねえ。お前ら一緒に寝ろ」 普段なら山田なんて放っておいて友子に掛けてあげる所だが、何といってもドライバー はコイツだ。体調崩されると明日の日程に影響するし、かと言って俺の布団を譲る気も ない以上、これは仕方の無い措置だ。 「どーせ、酔っ払ってたし酒の席での不埒で片が付くだろ。山田はちょっと痛い思いす るかも知れないけどな」 そう一人ごちてから、俺は寝ている山田の腕を引っ張って引き摺ると、友子の横に並 べた。枕は友子の頭の下に入れてやる。一枚の掛け布団を上から掛けてやり、作業完了。 「これでよし、と。まあ、明日の朝山田がどうなろうと、知ったこっちゃないけどな」 合唱して冥福を祈ってやってから、俺は残りの一人に向き直った。 「あとはかなみか……どうすっかな。コイツは……」 まずは、揺すって起きるかどうか試してみよう。他の手段を考えるのはその後だ。俺 はかなみの肩に手を置き、軽く揺さぶる。 「おーい。かなみ、起きろ。風邪引くぞー」 『ううん……やぁ……ら……やめれ……』 イタズラされてるのと感じたのか、かなみは不快そうに体を動かしたが起きる気配はない。 「もしもーし、かなみさーん。こりゃダメかな」 諦めて揺する手を離した途端、今まで横向きだったかなみが体をよじった勢いでその まま仰向けになる。それを見た俺は、思わず叫んでしまった。 「どわっ!?」 何故ならば、かなみの浴衣は寝相が悪かったせいか散々に乱れ、胸元も下半身も大き く露出してしまっていたからだ。 「なっ…… やっ……やっべーだろこれ……」 心臓がもの凄くドキドキして興奮しているのを自覚せずにはいられなかった。思わず 生唾をゴクリと飲み干す。 「どう考えてもマズイよな。このままじゃあ……」 14 名前:4/6[sage] 投稿日:2012/05/13(日) 22 16 54.56 ID S+2wyKKb0 [6/16] 俺はかなみから視線を逸らして考えを巡らせようとしたが、どうにも無理だった。ど うしても視線が胸元や太ももに行ってしまう。大きく開いた胸は3分の1以上露出し、 下半身も辛うじて下着が見えないギリギリのラインだ。 「いや。ホントにヤバイ。つか、こいつってこんなに色っぽかったんかよ……」 これまでも水着姿などは見てるので、適度に肉の付いた形の良い白い脚や、やや小ぶ りのバストの胸元も拝んでいない訳ではない。しかし、乱れた浴衣から覗くその場所は、 水着とは違う艶かしさがあった。俺は気を落ち着かせようと、深呼吸をする。 「このまま抱きかかえて運ぼうもんなら、完璧に脱げ落ちるな。布団はあと一枚だし……」 しかも、その一枚をかなみが下に敷いて眠ってしまっているので、一旦どいて貰わな い事には掛けようにも掛けられない。 「起きろよ、かなみ。おいってば」 体に触れるとヤバイ部分まで露出してしまいかねないので、俺は声だけでもう一度起 こそうと試みた。しかしやはりかなみは、僅かに身じろぎするだけで、全く起きる気配 が無い。仕方なく、今度はほっぺを突付いてみる。 「おーい。かなみさーん。起きなさいよー」 柔らかなほっぺたを人差し指でプニプニしてると、感触が心地良くてついついやり過 ぎてしまった。するよかなみがうざったそうに手で払う。 『ううーん……やめ……って……』 一瞬起きたかと期待するが、そのままゴロンと寝返りを打ち、さっきとは逆向きに横 になる。そして脚を動かすと、浴衣がめくれて太ももから尻の半分くらいまでが横向き に露出する。 「ちょっ……」 かなみのこんなあられの無い寝姿を見ることに罪悪感を感じつつも、俺は視線を離す 事が出来なかった。緊張で乾いた唇を舐め、長い葛藤の末に必死の努力で視線を外す。 「どうすんだよ。これじゃあ、おっぱ……胸もパンツも、見えるまで時間の問題だぞ……」 当の本人は、自分がこれだけ際どい格好をしているなど知りもせずにいい気持ちで寝 入っている。寝顔に視線を移すと、幸せそうな顔に腹が立って、俺は軽くデコピンしてやった。 「のん気に寝てんじゃねーよ。バカ」 しかし、悪態をついてみたところで始まらない。かなみに背中を向け、まずは目の前 の煩悩製造機から視線を完全に逸らしてから、俺は頭を整理する。 15 名前:5/6[sage] 投稿日:2012/05/13(日) 22 17 19.21 ID S+2wyKKb0 [7/16] 「こういう時は、何をするかじゃなくて、何が出来るかだよな? 今の状況で布団を被 せるのは無理。無理やり簀巻きにしても止めるものがないから簡単に外されちゃうし、 あいつ寝相が悪いから、変にタオルとかだけだとこれも取っ払われちゃうし……」 口に出して言ってはみたものの、やはり上手い手段を思いつかない。 「となると、やっぱりどかすしか…… しかし、あの格好じゃなあ……」 かなみを抱き上げて部屋まで運ぶとなれば、今の格好じゃ間違いなく露出は必死だ。 俺は背中越しにかなみを振り返る。さっきよりも、より際どい格好になっていた。 「あのまま放置してたら、帯だけなんて事にもなりかねんな。あのアホ……」 視線を戻し、真剣に考える。しかし、どう考えても、結論は一つしかなかった。 「やっぱり、浴衣を直すしかねーな。もったいねーけど、まずそれをしないと先に進まん」 とはいえ、寝ている人間を起こさずにキチンと着付け直すなんてのは無理だ。しかも 帯を外そうものなら、最後の拘束が解けたとばかりにパンツ一枚の姿が曝け出されてし まうかもしれない。まとまらない考えを整理する為、俺は口に出して段取りを考える。 「まずは……脚からだな。両脚を揃えて、浴衣を合わせてやれば、当面の危機は回避出 来るだろうし」 もちろん、この危機とはかなみさん貞操の危機の話だ。 「で、次に上半身を合わせて、最後に帯を解いて締め直してやれば、転がすくらいは出来そうだな」 応急処置だから下手に動かすとすぐ乱れそうだが、転がしても見えないくらいには直 せそうだ。そうと決めると、俺はかなみの方に向き直る。 「それにしても……綺麗な脚してるよな。格好はだらしないけど……」 思わず見惚れてしまう自分に気付き、俺はかぶりを振る。 「いかんいかん。まずは仰向けに戻して……と」 さっきと同じように揺さぶると、自然かなみは嫌そうに寝返りを打って仰向けになる。 大きく開かれた素足が俺の視線を釘付けにする。しかも、もはや角度を変えれば簡単に 中が見えてしまうほどだ。 「クソッ…… 逆から揃えるか……」 もの凄く覗きたくてたまらない。だけど、それをしてしまうと明日からかなみと面と 向かって話せなくなる気がして、俺はかなみの頭の方に尻を向けてかなみをまたぎ、そ の場に膝を付く。 「この野郎。俺が紳士で感謝しろよ」 16 名前:6/6[sage] 投稿日:2012/05/13(日) 22 18 04.67 ID S+2wyKKb0 [8/16] 果たしてこれは紳士なのか、それとも単なるヘタレなのか。明治以前なら間違いなく 後者だなと思いつつ、俺はかなみの足首を持って揃えた。大きく広がった浴衣の裾を片 方ずつ、かなみの上に乗せて合わせていく。太ももを隠すのは惜しかったが仕方が無い。 「これでよし……と。とりあえずは、だがな……」 合わせただけだから、ちょっと姿勢を動かすとすぐにまた開いてしまうだろう。作業 は素早くこなさねば。俺は一度立ち上がると、かなみの上から体をどかし、反転して今 度は向かい合うようにかなみの上にまたがった。 「それじゃあ、失礼しますよ……と」 胸元を大きく広げた浴衣を合わせるためには、胸に手を伸ばさなければならない。も ちろん、直接触れるわけではないが、浴衣に手を掛けるだけでも何だか悪い事をしてい る気分になる。 「それにしても……」 浴衣を直そうとした俺の視線が、かなみの胸元に吸い込まれる。真っ白な肌に、谷間 から7合目くらいまでの膨らみが、覗いているというよりはもはや堂々とさらけ出されていた。 「コイツって、意外と胸の形、いいんだな……」 仰向けなので重力に従って当然乳房は横に広がっている。しかし、谷間から左右に、 そこにはしっかりとした膨らみがあった。 「いやいやいや。見てる場合じゃないだろ。しかもかなみに内緒でとか……」 煩悩を振り払い、浴衣に手を掛けたその時だった。 『ん……?』 それまで気持ちよく眠っていたはずのかなみが、小さく声を出す。それに俺の手が思 わずビクッと震えた。 「へ……?」 そのまま体が硬直し、視線がかなみの顔に釘付けになる。すると、かなみの目が僅か に開き、一度眩しそうに目を閉じて瞬く。そしてもう一度、今度ははっきりと目を開けた。 『……え……?』 かなみの浴衣に手を掛けたまま、俺とかなみはすぐ間近で、顔を見合わせた。
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ぴんせっとなんてもってない【登録タグ VOCALOID kokone たべっこ ひ 曲】 作詞:たべっこ 作曲:たべっこ 編曲:たべっこ 唄:kokone 曲紹介 「それでも、抱き締めて」 どんな愛の形でも、怯えなくていいんです 「それでも、私を愛して」 たべっこ氏のVOCALOID曲5作目。 動画は はなけん氏 が手掛ける。 後にリメイク版が投稿された。 歌詞 (投稿動画概要欄より転載) 傷付く心はほつれてく 毛糸のように絡まってく 自分のこと見失ってく 自分が分からなくなってく もつれた毛糸をほどいてさ 傷つく心を直してよ 知恵の輪のような私を 頭を悩ませて解いてよ でも ピンセットなんて持ってない 優しくしたってできないよ ピンセットなんて持ってない 嗚呼 ピンセットなんて持ってない 触れれば貴女を傷付ける ピンセットなんて持ってない 嗚呼 不器用な僕はハリネズミ 自分の居場所を知らなくて ジレンマ抱えたハリネズミ それでも貴女を抱きたくて 自分が嫌いなハリネズミ いつも通りself-mutilate ジレンマ抱えたハリネズミ 自分の身体を突き刺すの ただ 断ち切る鋏なら持ってる 燃やせる火種なら持ってる 引きちぎる腕なら持ってる 嗚呼 できるならコレは切らないで できるならコレは焼かないで できるならコレは裂かないで 嗚呼 Oh 君は笑って Oh 僕と笑って Oh 君が笑って 僕も笑った ピンセットなんて持ってない 壊れた貴女のsolution ピンセットなんて持ってない 嗚呼 ピンセットなんて持ってない そんなものきっと要らないよ ピンセットなんて持ってない 嗚呼 ピンセットなんて持ってない… それでも私を抱き締めて コメント 名前 コメント
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虐と愛を知る自分にとっては鉄隗でぶん殴られたような衝撃です。もっと貴方の作品読ませてもらいたいです -- 名無しさん (2008-08-15 00 38 04) お疲れ様でした。元になった作品を相当読み込んでいただいたようで、うれしく思います。この作品に先立って、私が作った話ではまりさの未来には絶望しかありませんでした。私が書けるのはそのような作品のみだからです。けど、この作品はむの人さんだからこそたどり着いた結末があります。私には決して書けないであろう結末が。ですので、貴方の手によってこの作品は完成したのかもしれません。私のような人間がこのようなことを言うと笑われるかもしれませんが、素晴らしい完結編を書いていただいて恵まれた気持ちです。私は色々疲れてしまい、もうssを書くことをリタイアしてしまいましたが、貴方を応援しています。本当にありがとうございました。これからも頑張ってください -- 抹茶アイス (2008-08-15 02 02 35) 読んでくださり、誠にありがとうございます。抹茶アイスさんはSS書くのを辞めてしまわれたのですか……とても残念です。「ゆっくりまりさとおうち」こそ、私にとって衝撃的な出会いでした。あそこまでSSで心を揺さぶられることがあるなんて、ついにも思っていませんでした。あれを読まなければ、ゆっくり系のスレに留まる事は無かったでしょう。上辺だけの「ゆっくり」で終わっていたでしょう。私のほうこそお礼を言わせてください。この世界を教えてくださり、ありがとうございました。そしてこの先の人生に“ゆっくりしていってね!!!” -- むの人 (2008-08-15 03 17 57) すばらしい…もうそれ以外なんと言っていいのやら。元ネタの抹茶アイス氏のゆっくりまりさとおうちは私の中での名作の一つです。どちらかといえば虐待スレ派の自分でしたがかわいくて良い子のゆっくり達だけが殺される話は悲しくて虐待スレを見てる癖に複雑な気分になりました。その名作をむの人氏がうまく続編として引き継いでくださったので感無量です。抹茶アイス氏は今までお疲れ様でした。それとむの人氏にはこれからのご活躍に期待します。がんばってね!!! -- 名無しさん (2008-08-15 08 56 40) ゆっくりssの新しい可能性が見えました。作者の方々はお疲れ様でした。すごくよかったです。 -- 名無しさん (2008-08-15 19 45 14) 毎日虐待スレを見ている私がマジ泣きし、本気で救いを求めたほど私の中で言い様のない傑作でした。ゆっくりまりさとおうちを書かれた抹茶アイス氏と、求めてやまなかった物語の続きを書いてくれたむの人氏。こんなに素晴らしい作品を書かれた両氏に心の底から感謝です。 -- 名無しさん (2008-08-16 12 45 31) すげえ…もうなんて言っていいのかわからない。モチロンいい意味で。抹茶アイス氏のゆっくりまりさとおうちは投稿された時から自分のお気に入りです。そのお気に入りに続編が出来ただけでもうれしいのに出来が良すぎて眼からケフィアが出てしまいましたぜチクショウ。むの人もこれからめっちゃがんばれ。超ゆっくりがんばれ -- 名無しさん (2008-08-18 19 19 18) 神!!!!!!!乙!!!!!!! -- 名無しさん (2008-08-26 04 49 47) 神とか気安く言うんじゃありません!!!間違いなくこの作品は神です。本当にありがとうございました。 -- 名無しさん (2008-08-26 08 37 33) ゆっくり抜きにしても名作ってくらいにストーリと構成がよかったです! -- 名無しさん (2008-08-27 13 00 50) 射命丸のメモのくだりで、胸を打たれました。絶賛したいのに言葉に出来ない自分の語彙が憎いです -- 名無しさん (2008-08-27 16 03 24) 沢山のコメントありがとうございます。気になっていた所を何点か修正しました。 -- むの人 (2008-09-06 19 34 55) あー、いい話だなあ。俺もいろいろ虐や愛を書いたけど、こういう豊かで強い話って書いてないなー。書けるかなあ。 -- 名無しさん (2008-09-15 01 15 33) 面白かったです。本当にGJって言葉以外褒め称える言葉が出ないw -- 名無しさん (2008-09-28 12 39 31) 履歴残ってるから直せた -- 名無しさん (2008-10-19 21 14 35) パーフェクトだウォルター -- 名無しさん (2008-10-19 22 28 50) ブルーワーカーの広告くらいリアリティーのある展開でした。 -- (2008-10-29 16 34 01) おいおい、2chなんかのSSで泣くか、普通?泣く訳ない、はずなのにな‥。 「生き残るのは、強い者ではなく、皆が護りたいと思う優しい者」。自分の人生で大切にしたい言葉がまた一つ増えました。 -- 名無しさん (2008-11-18 16 47 11) 目から汁が止まりません -- 名無しさん (2008-12-14 05 07 50) こんなSSを待っていた -- 名無しさん (2008-12-15 22 22 19) ずっと涙をこらえてみてたけど最後のほうで我慢できなくなった。ええ話や~!! -- 名無しさん (2008-12-17 19 54 53) 褒め殺しってやつですね。わかります。 -- 名無しさん (2008-12-18 01 45 53) ようするに、他人の作品の結末が気に入らないからって、勝手に続編を作ったのか。 -- 名無しさん (2008-12-26 13 37 44) それって、荒らしとどう違うのかな -- 名無しさん (2008-12-26 13 38 04) 悲しい話があったら、いい話に変えたいって思うじゃないか。フランダースだってネロやパトラッシュ死んだけどどうにか生き残らせたい。そんな気持ち -- 名無しさん (2008-12-26 23 06 53) なるほど。まあ、本家を超えたとのたまわなければそれもよし!荒らしを呼ぶ前にクールに去るぜ -- 名無しさん (2008-12-27 00 19 33) このSSを読むたび、心が暖かくなる。初めて読んだときなんか本当に泣けた。 -- 名無しさん (2008-12-27 10 13 29) 虐められっ子の理想だね。他人の手で敵を葬る。自身の手を汚さず復讐を遂げるか。賞賛の声が多いから読んでみたけど、ぶっちゃけ何が書きたいのかわからなかった。 -- 名無しさん (2009-01-13 22 23 09) まりさは復讐したかったわけでも、復讐してもいないだろ。自分から見たらこの話の肝は『守ること』。まりさは『そのほか全てのゆっくりを救ったのだ』 ってな。作者GJ -- 名無しさん (2009-01-23 01 17 36) 都合の良い勧善懲悪だよなこの話。悪い人間像を作り上げて、東方キャラを使って制裁を加えるって。やってる事が虐待スレと変わらんじゃないか -- 名無しさん (2009-01-29 14 54 40) そうなのかなぁ?そんなに人間は高尚な生き物なのか?それに、君たち住民は必要以上に拷問したりしてるじゃないか。これのどこが変わらないというのかい? -- 名無しさん (2009-01-29 17 01 06) きっと彼は悪役をかわいそうに思うような優しい心の持ち主なんだよ。ゆっくりしていってね。 -- 名無しさん (2009-01-29 18 02 48) 人間の中にも異能者はたくさんいて(妖怪退治屋)、仙人とか、獣人とか人間に好意を持ってる(ていうか元人間か半分人間)強力な種族もいる。河童もか。妖怪がゆっくりに肩入れするのは、まずありえないのでは。それ以前に、幻想郷は、人間と妖怪のバランスでなりったているのだが・・・。ゆっくりなんて異物は、むしろ八雲家が率先して排除しそうだが。まあ、この場合森に火をつけたのが悪いがね。なんでんなことしたのか、あるいは作者がさせたのかはわからんが。 -- 名無しさん (2009-02-02 13 48 49) 饅頭が喋ったり跳ねたりしてるのはどう考えても妖怪だろ。 肩入れしても不思議じゃないような。 -- 名無しさん (2009-02-02 17 46 51) 妖怪なら、人間はゆっくりを退治せんといかんし、他の妖怪はそれを邪魔しちゃいかんな。 -- 名無しさん (2009-02-02 18 40 12) しかし待ってほしい。ウイルスも、ゆっくりごと燃やすという処分のやり方も、抹茶アイス氏が考え、むの人がそれを発展させたのだから、むしろ作品の小道具として利用されているのは人間のほうではないか。某新聞風 -- 名無しさん (2009-02-03 08 26 44) 虐め系SSは3000近くあるが、ゆっくりのために山に火を放つなんて例はない!こんなこと思いつくのは、この作者さんだけである。いや、ムカつく悪役をだすのは当然だが、作者自身がムカついているふしがあって、かなり見苦しい。自分で考えついて、何を怒っていらっしゃるのやら。 -- 名無しさん (2009-02-03 21 56 58) こめんとてすとん -- (Jiyu) 2009-02-11 02 44 11 >妖怪なら、人間はゆっくりを退治せんといかんし、他の妖怪はそれを邪魔しちゃいかんな よくわかりません。 -- (名無しさん) 2009-03-25 22 25 54 人間と妖怪のバランスでなりったているのだが・・・。ゆっくりなんて異物は、むしろ八雲家が率先して排除しそうだが。 「ゆえに、幻想郷は全てを受け入れる。……それはそれは残酷なことですわ」 八雲家っつーか紫は後者を選んだって事だね。っつーかこっちこそ紫らしい。 -- (名無しさん) 2009-03-25 22 40 40 虐め系SSは3000近くあるが、ゆっくりのために山に火を放つなんて例はない! お前、いじめSSほとんど読んでないだろw -- (名無しさん) 2009-04-01 13 26 10 八雲家っつーか紫は後者を選んだって事だね。っつーかこっちこそ紫らしい。 これは書きかたがまずかったか、すまん。ゆっくり自体のことではなく、無差別に人を殺傷しうるウイルスを持っている場合は放置せんだろと書きたかった -- (名無しさん) 2009-04-03 17 09 29 ゆっくりまりさとおうちは名作だったというのに続編ときたら・・・ -- (名無しさん) 2009-10-25 16 03 03 これは十分名作だけどね -- (名無しさん) 2009-10-27 10 29 18 いやクズだな -- (名無しさん) 2009-11-24 16 00 46 そうじゃない人がたくさんいるのさ -- (名無しさん) 2009-11-24 22 53 52 東方キャラの蛇足感が異常 -- (名無しさん) 2009-11-25 22 42 41 あれ・・・目から汗が・・・ -- (名無しさん) 2009-11-26 23 50 49 そもそも完結した作品を勝手に続編作るってのが気にくわない まあいいかこんな奴に何言ってもわからないだろうし 俺のコメントみたら皆気悪くするだろうからこれ以上はやめる -- (名無しさん) 2009-12-10 01 34 58 完結した作品の続編見んの嫌とかいったら二次創作なんざなんも読めんだろ。 なに言ってんだか。 -- (名無しさん) 2009-12-16 18 14 58 ↑正論すぎふいたw ここはゆっくりするところですよー -- (名無しさん) 2010-01-07 00 23 12 完結した作品の続編アウトなら↑×2が正論な上に 虐待スレでも愛ででも勝手に作っちゃいました~はごろごろあるだろ 気に入らん作品にだけ続編気に喰わないとか言われてもなぁ この作品はいい作品だったよ 東方キャラもエッセンス程度にでてて クズだのなんだの言うやつは、せめて理由くらい書いたら? 理由も書かずにクズやつまんないとかあっても作者困るだろー 自分の気に入った作品にクズやつまんないとだけ書かれてたら「は?」て思わないの? -- (名無しさん) 2010-06-03 15 09 36 低学歴なら楽しめそうな内容www -- (名無しさん) 2010-06-04 20 10 09 山の妖怪さんたちは、アホが火をつける前に、あるいは火が広がる前に止めろよ。 全焼してから出てきて「制裁だ!!」ってあーた。 手を汚さず嫌いな奴を始末したがるのが善人の悪い癖だ。 -- (名無しさん) 2010-07-14 00 30 21 面白かった 懸命に生き、大切なものを必死に守るゆっくり達の姿に感動した 人間でもゆっくりでも惻隠や共感の情は大切なんだな -- (名無しさん) 2010-11-27 18 55 12 >完結した作品の続編 同人にはよくあることですね。批判するようなものでもない。 >山の妖怪さんたちは、アホが火をつける前に、あるいは火が広がる前に止めろよ。 そこまで妖怪も万能ではないだろう? 24時間体制でたくさんの人間や妖怪を監視はできまい。 それに万能過ぎるとキャラクター的に魅力を感じないね、自分は。 >•低学歴なら楽しめそうな内容www 学歴は高く(自称)ても知能は低そうなコメントwww >SS がんばる姿というのは見ても読んでも気分はいいですね。 好きですよ、こういうのは。 -- (名無しさん) 2011-01-06 02 17 32 この話は弱くても僕らは生きているということをまるで叫んでいるかのような生きること・幸せになりたい・身勝手かもしれないけど意思を持った生物は必ず愛されたいと思うものですね -- (名無しさん) 2011-04-29 15 51 27
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君はずっと知らないでいて欲しい【きみはずっとしらないでいてほしい】 公輝、斗真、里穂 「里穂ってさ、斗真の事好きだろ」 確信があっての問いかけ 「…えっ!?えぇえぇえっっ!?」 「声でけーよ」 里穂は多少大袈裟なくらいの反応を見せた 「なっ何で分かったの…?」 「何でって…里穂の好みまんまじゃん」 「たっ確かに…」 「それに見てりゃ分かるし」 そうだよ、見てりゃ気付くんだよ ―――嫌でも、な 「えっ嘘!?」 「そんな嘘ついてどうすんだよ」 「それ…本人には…」 「言ってない。多分本人も気付いてないと思う。鈍感だし」 だって、里穂からの視線に気付いてたら 俺からの視線にも気付くはず 「…本人には言わないでね?」 「言わねーよ」 それで斗真が里穂を気にしだしたら嫌だし ―――だって、俺、斗真が好きだもん ――― ― 「…何?」 「え?」 授業中に隣の席になった斗真をじっと見てたら気付かれた 「いや、ずっとこっち見てたから」 「あ、マジで?悪い、ちょっと考え事してた」 斗真が気付くぐらい見つめてたのか 少し恥ずかしい 「俺の顔に何か付いてんのかと思った」 「悪い悪い」 「そんな見つめるなよ。気になるだろ?」 ―――いっそ、気にしてくれたらいいのに 「分かった」 素直に従って前を見ると、前列の右端の方で里穂がチラチラ見ていたのに気付いた 隣を見ると、どうやら斗真は気付いてない様子だった いいな、と思った 気付かれないのも寂しいかもしれないが気付かれずにずっと見ていられるなんて羨ましい 何より、里穂が女である事が羨ましかった 「…何だよ」 ふと隣から視線を感じてそちらを見る すると斗真が俺を見ていて目が合った 「さっきの仕返し」 「もー…ちゃんと授業受けろよ」 「前田に言われたくねーよ」 斗真は可笑しそうに笑ったから、俺も一緒になって笑ったが 内心ドキドキだった 「誰見てたの?」 「え?」 「誰か見てたんじゃないの?百面相して」 「…別に誰も…ってか百面相なんてしてねーし」 「してたって!何か悲しそうな顔したり複雑そうな顔したり…」 俺は里穂を見ながらそんな表情をしていたのか 「お前何見てんだよやめろよ恥ずかしい」 「前田が先に見てきたんだろ?いいじゃん、前田面白かったし」 「面白がるなよなー」 「ははっ」 「コラ、前田に生田。そんなに俺の授業つまんねぇか?」 「「あ」」 気付いたら加藤さんがそばに立っていた 「ったく…珍しく授業出てると思ったら…生田はお前が居ないと真面目なのにな」 加藤さんは俺に向かって言った 「えー嘘だー斗真が真面目?」 「何疑ってんの、マジだよマジ。俺真面目だし」 「うっそだー斗真が真面目だったら俺も真面目だし!」 本当は斗真が真面目な事は知っていた だから最初は、ただ羨ましかった それがいつから“好き”に変わったかは分からない 「前田は生田と違って普段から不真面目だろうが。その証拠にその首にある装飾品」 「あ、これ?俺の体の一部」 「そうか、ならその着脱可能な体の一部は没収な」 「えー!マジで!?やだやだダメだって!」 「後で俺のとこ来い」 「…はーい」 加藤さんが手を差し出すので意味が分からす手を重ねると斗真に爆笑された そして加藤さんには「バカかお前。ちげぇよ装飾品外して渡せっつってんだよ。没収だっつったろ?」と言われた 「あーマジウケた!素でそういう事するんだもん」 「公輝そんな事したの?マナも見たかったー」 「伊倉さん病院行ってて遅刻したんだから仕方ないよ」 授業が終わった後、斗真は俺を見るなりまた爆笑し始めた それを見たさっき来たばかりの愛美が何事かと寄ってきた 「ホント病院なんて行かなきゃ良かったー」 「あの時加藤さんも驚き通り越して呆れてたし」 「だって何してんのか分かんなかったし」 「クラス皆爆笑してたもんなー」 「今度はマナも居る時にやってね」 「もうやんねーし」 少し恥ずかしいその話題を、俺は早く忘れて欲しいと思っていた だがしかし、自分の話を彼にしていて欲しいとも思った ――― ― 「なぁ、斗真の好きなタイプってどんな奴?」 瑛士が遅刻してきたある日 俺はまだ瑛士が来てないから珍しく斗真と2人屋上で昼食をとっていた 2人だけで話すのは久しぶりだった 「天然入ってて笑顔が似合う子かな」 「男?」 「女で。男でなんて勘弁してよ。そっちの趣味は無いし、気持ち悪いだろ?」 それはきっと、同性愛者を否定する意味じゃなく自分がそうだったら、という意味だろう だけど俺には 心臓を抉られるようなくらい残酷な言葉で 「ははっ…それもそうだな」 笑って言ったつもりのそれが、不自然になった 「何で?」 幸いにも、斗真はそれには気付いてなかった 「いや…知り合いにさ、女なら誰にでも手を出しちゃう奴が居てさ。もし今気になってる奴とか居るなら俺が言っといてやろうと思って」 それは半分瑛士の事で 瑛士なら俺から言わなくても、自分でその辺は上手くやっていけるだろうけど だが斗真は瑛士を知らない 「へぇー公輝、本当色んな知り合いが居るのな。気になってる奴かぁ…」 「誰か居るのか?心当たり」 「心当たりって言うか…最近ちょっと飯田さんが気になってるかな、みたいな」 ああ 2人はいつか近い未来に結ばれるのだろう だって、2人は両思いじゃないか しかもきっと、2人を結び付けるのは俺だろう 「へぇ…里穂かぁ…」 「あっ本人には言うなよ?」 「言わねーよ」 いつかの里穂に言われた時と、全く同じ返し方をした 「あ、公輝」 「…おう」 昼からの授業は出る気になれなくて、そして何となく風に吹かれたくなって屋上に行く そこには今日初めて会う瑛士の姿があった 「お前何処行ってたんだよ」 「授業でも出ようかなって教室に。あ、そうだ。瑛士、里穂には手出しちゃダメだからな」 「…ああ、いいけど」 柵にもたれかかった時、ちょうど向かいの校舎の俺達のクラスに、斗真と里穂の姿が見えた 「…好きなのか?」 「え?」 2人が仲良さげに笑いあって話しているのをぼんやりと見ていると、隣に並んで同じように柵にもたれかかった瑛士が俺に聞いた 「里穂ちゃんってあの子だろ?公輝の幼なじみの」 ちょうどあそこに見える子、と瑛士が指差した 「うん」 「好きなのか?」 瑛士は俺を見てもう一度聞いた 「…いや」 「?じゃあ何で」 「斗真が気になってんだってさ」 ほら、今一緒に居る子 そう言うと瑛士はまた二人を見た 「…好きなのか?」 また同じ質問 だけど今度は里穂の事じゃなく、斗真の事 「…好き…だよ」 自分で思っていた以上に弱々しい声が出た 「…そっか」 「…さっきさ、『男は勘弁してくれ』って『気持ち悪いだろ?』って言われた。気持ち悪いってのは自分が、斗真自身が男好きだったらって事だろうけど」 それでもキツいよなこの言葉 そう言った俺の声が、自分自身が思っている以上に自分はショックを受けている事を証明した 「…ごめん瑛士、瑛士もそういうの嫌いだったら今の話、」 「嫌いじゃない。前から興味はあった」 「…そっか」 前から興味はあった、なんてサラリとすげー爆弾発言だな そう考えて、何も深く考えずに 「…そういう経験、してみる?俺と」 そう口にしていた 「…そんな泣きそうな顔して言われたら、断れねーだろ」 「あー俺今そんな顔してんの?…いいんだぜ?断っても」 「いや…断る気なんてサラサラねーよ」 「そっか」 そうやって誰かを巻き込んで この思いは無かった事に出来ればいいのに ――― ― 「公輝ー!」 「ん?何?」 「里穂ってこういう映画平気!?」 あれから何日かして、斗真は里穂と付き合い出した そしてちょっとした心配事ややりとりについてなど色々な事がある度に斗真か里穂のどちらかは俺に報告したり相談したりする ―――同性だからか、斗真からの相談のが多いが 「それくらい本人に相談すればいーじゃん」 「だって里穂には楽しんで欲しいしさーちょっとしたサプライズな感じのが嬉しいかなって」 「バカじゃねーのお前。一緒にデートの計画立てるのも楽しみの一つだろ」 「そうそう。それに里穂みたいなタイプはサプライズより一緒に計画立てる方が喜ぶって」 今日はたまたま瑛士と一緒に居る時だったから良かった ――― ― 「そっかーなるほどね!いやー公輝に相談して良かったわ」 「そりゃどーも」 「それじゃ早速里穂のとこ行ってくる!」 斗真は嬉しそうに笑うと急いで里穂の居る教室へと向かった 「…もう平気なのか?」 斗真が出て行った扉をぼんやり見つめていると、瑛士が言った 「何が?」 「斗真の事、もう諦めたのか?」 「…ああ、それ?…うん…っていうか斗真が幸せならそれでいいよ」 好きな人には幸せで居て欲しい なんて俺は乙女なんだ なんて俺は良い人なんだ ―――諦めれてなんか無いけど 「…泣きたきゃ俺の胸貸しますよ?」 「泣かねーよバーカ」 「そー。ならいいけど」 瑛士と2人、俺のクラスの教室前の廊下が見えるフェンスへと移動し、もたれかかる ちょうど斗真が急いで教室に入るのが見えた 「………瑛士」 「ん?」 「胸はいいから手借りてもいい?」 「おう、いくらでもどーぞ」 いつかこの想いが消えてしまって 俺がちゃんと心の底から2人を祝福出来るようになるように 今日もただ願っている事を どうか、君はずっと知らないでいて欲しい
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唯「見て見てあずにゃん!でっかいお魚さんがいるよ!」キラキラ 梓「はしゃぎすぎですよ唯先輩」 唯「うわ~!こっちにはカニがいるよ!おいしそ~!」 梓「周りの視線が痛いですからやめてください!」 梓(本当にこの人は…かわいいなあ) 唯「なんかイルカショーがやるんだって!行ってみよう?」 梓「はい!」 唯「でもイルカなんて初めて見るな~。どんな感じなの?」 梓「えっ?見たことないんですか?」 唯「うん。憂の看病で忙しかったからね」 梓「…そうなんですか」 唯「あ~楽しみだな!早く行こうよ」 梓「はい…」 唯「うっわ~~!!かわいいよお!!」キラキラ 梓「はい!すっごくかわいいです!」 イルカ「キュイ!」ピョン 唯「とんだ~~~!?」 ザッパーーン 唯「うわっ!?水が…」 梓「あっちゃーびしょ濡れですね。大丈夫ですか?唯先輩」 唯「うん、結構ぬれちゃったけど…」ビチャビチャ 梓「!」ドキッ 唯「? どうしたのあずにゃん?」 梓(濡れた唯先輩、すごく色っぽい…///) 梓「なんでも…ないでふ」ポタポタ 唯「あずにゃん!?鼻血出てるよ!?」 唯「今日は楽しかったね~あずにゃん!」 梓「そうですね」 梓(律先輩が言っていた告白すると大体成功する景色の奇麗なスポットに来たぞ!) 梓(あっちょっと説明っぽくなった) 唯「ここってすごく景色がきれいだね!」 梓「はい!ここって結構有名な場所らしいですよ?」 唯「そうなんだ」 梓(やっぱり横顔もかわいいな。見とれてしまいそう…) 唯「……」 梓「……」 梓(どうしよう…なんだか気まずい…) 唯「あずにゃん」 梓「は、はい!?」 唯「今日はありがとうね。こんなに楽しかったのすごく久しぶりだったよ!」 梓「こちらこそ、とっても楽しかったですよ」 唯「…また来ようね?」 梓「はい!」 唯「……」 梓「……」 梓(うっ…また沈黙が…) 梓(いや!覚悟を決めろ梓!ここでしなきゃいつやるんだ!) 梓(……よし!) 梓「唯先輩!」 唯「ほい?」 梓「わたしは最初、唯先輩があまりにも完璧超人すぎてとっつきにくい先輩なのかなと思っていました」 唯「…うん」 梓「でもそんなことなくて…こんなわたしにもとても優しく接してくれるし、ほんわかしててあたたかくて…ギターもうまくて…」 唯「……」 梓「そしていつの間にか…唯先輩のことが好きになってました」 唯「……」 梓「もしこんなわたしでよかったら…唯先輩の傍にいてもいいなら…どうかお付き合いしてください!」 唯「……」 梓「~~~~~!!」ブルブル 唯「…顔あげて?あずにゃん」 梓「は、はい」 唯「わたしもね、あずにゃんを最初見たときかわいい子だなあって思ったんだ」 梓「…はい」 唯「それにとても真面目で自分に厳しくて…でもちゃっかりティータイムには顔出したりしてたけどね」 梓「うっ…」 唯「それでね、返事なんだけど…ごめん」 梓「!」 唯「わたしじゃあずにゃんの気持ちにこたえられないよ…だから付き合えない」 梓「…どうしてですか、わたしの何がいけなかったんですか?」 唯「あずにゃんは何も悪くないの。ただわたしが…」 梓「やっぱり妹さんのことですか?」 唯「!!!」 梓「…そうでしたか。唯先輩はわたしより妹の方がいいんですよね?」 唯「それはちがうよ!ちがうんだよあずにゃ…」 梓「違わないです!」 唯「!」ビクッ 梓「今日だって唯先輩は言ってました。イルカを見るのが初めてだって。妹の看病が忙しくって見れなかったんだって」 唯「……」 梓「あんなに楽しそうにしてたのに…唯先輩は妹さんにとらわれてるんです!少しは自由にしてもいいじゃないですか?」 唯「あの子の面倒を見れるのは私だけなの!あずにゃんは関係ない!」 梓「関係あります!唯先輩に迷惑をかける妹なんて…いない方がましです!」 唯「!」 バシッ 梓「…!?」 唯「…何もわからないくせに…わたしたちに口出ししないで!!」 梓「あ…」 唯「…ごめんね、ぶっちゃって。じゃあね…」タタタ 梓「あっ…ゆいせんぱ…」 梓「……」 梓「…わたし…取り返しのつかないことを…」 梓「わたし…最低だな…ヒクッ」 梓「どうしよう…唯先輩に…ヒクッ、嫌われちゃった…グス」 梓「うわああああああああああああん!」 ――翌日 梓(今日は部活に行けないや。行っても気まずいだけだし…) 梓(唯先輩に迷惑かけちゃったし…あやまっても許してもらえないだろうな…) 梓「これからどうしよう…」ハア 和「あら?梓じゃない」 梓「あ、和先輩…」 和「どうしたの?もう部活が始まってる時間よ?」 梓「えと、その…」 和「…なにかあったの?」 梓「いえいえ!なんでもないです!」ブンブン 和「ウソでしょ」 梓「うっ…」 和「さあ、わたしに話してみなさい。楽になるはずよ」 … 和「…そう…それは言っちゃいけないわね」 梓「はい…もう唯先輩に会わせる顔がないです…」 和「さすがの唯でも憂の話になると性格が変わっちゃうの」 梓「そうなんですか…」 和「昔の話をしてあげようかしら」 梓「お願いします」 和「昔の唯はね、今とは全く正反対だったの」 梓「そうなんですか?」 和「うん。一言でいえばなまけもの。いっつもダラーンとしててわたしと憂で世話してたの」 梓「あの唯先輩が…」 和「でも、たしか小学生だったかな。憂が突然倒れたの。心臓の病気で入院することになって…」 梓「……」 和「唯の家は両親が海外に行ったりしててお家にいないことが多かったの。その代わりわたしの両親が面倒見たりしてたんだけど…どうしても見れないときは憂が家の掃除とか料理とかしてたわ」 梓「その憂ちゃんが倒れたってことは…」 和「そう。唯はお家にひとりっきりでいることが多くなった。そんなときわたしの両親にこう言ったの。『わたしに家事を教えてください!』って」 梓「……」 和「それからは梓も知っての通り、家事全般ができる唯になったの」 梓「そうだったんですか…」 和「そして憂のことなんだけど…入院してて学校に行くこともできなくなって…だんだん暗くなっていったの」 梓「はい…」 和「そこで唯やわたしが憂が寂しくならないようにってほぼ毎日お見舞いに行ったの」 梓「……」 和「それから唯は憂につきっきりで…そんなもんだから学校での友達もどんどん減っていった」 和「その事情を知った憂は唯に負担をかけまいと、もうお見舞いに来ないでって言ったの」 梓「……」ゴクリ 和「そしたら唯は『友達なんかよりういの方が大事なの!』ってケンカを始めちゃって」 和「そのとき憂が突然発作を起こしちゃってね。一時は本当に危ないってところまでいったらしいわ」 梓「……」 和「そんな憂をみた唯は『もうこれ以上憂に悲しい思いをさせたくない』って思って、今まで以上に憂につきっきりになった。憂ももう反対できなかったらしいわ」 和「それからの唯は…学校もついでみたいな感じで、勉強はできるんだけど行事に参加しなくなったりして…クラスでも唯の存在が忘れかけられるほどだったの」 梓「そんな…」 和「中学校の卒アルに写ってる唯なんて笑顔がひとつも無かったわ」 梓「唯先輩…」 和「そんな唯を見かねたわたしは、高校に入ったら何でもいいから部活に入りなさいって言ったんだけど、唯は一向に入ろうとしなかったわ」 和「それで無理やり廃部の危機にあった軽音部に入れたの」 梓「そんな理由で入ったんですか…知らなかったです」 和「唯は最初は嫌々だったんだけど、軽音部のみんなが唯を引っ張ってあげて…そしたら唯にも次第に笑顔が増えていって…唯はギターにはまってのめり込んでいったわ」 和「いままでの会話の中心は憂のことだったけど、3対1の割合で軽音部の話も混ざるようになったの」 和「あんなに暗かった唯をあそこまで明るくさせた軽音部には感謝しきれないわ」 梓「そうだったんですか…なんか話を聞くとあんなことを言ったわたしが本当に情けないです…」 和「…でもね、梓。あなたが入ってからは1対1の割合で…憂と同じくらいの割合で軽音部のことを話すようになったの。もちろん、あなた中心でね」 梓「!」 和「唯はあなたのことが本当に好きよ。何年も幼馴染してるこのわたしが言うんだから間違いないわ!」 梓「和先輩…でも、あんなこと言っちゃって、もう唯先輩にあわす顔が…」 和「だから大丈夫だってば。唯もきっと許してくれる」 梓「……」 和「だからきちんと謝ってきなさい!」 梓「…はい!」 和「よし!行ってきなさい!」バチン 梓「あうっ!今日はありがとうございました!では行ってきます!」タタタ 和「ふう…世話が焼けるんだから…」 …… 律「なあ、唯。昨日はその…」 唯「……」ボー 澪(おい律!あんまり深追いするな!) 律(だ、だって!気になるじゃんかよ~) 紬(ふふふ…きっと梓ちゃんのことが待ちきれないのね!) 唯(昨日はやっちゃったなあ。もうあずにゃんとはあわせる顔が…) 3
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――― 唯「……あー、ひまだー」 梓「本でも持って来ればよかったですね」 唯「はぁ~~」 梓「帰りに向かいのペットショップに寄っていいですか。トンちゃんの餌を買うので」 唯「うん……。コインランドリーにいると、なんだか他の人の服を着せられてる気分になるね」 梓「実際私達他の人の服着てますからね、今」 唯「あ……あのお店最近できたのかな」 梓「……ウェディングドレス?」 唯「あ、そういえば」 梓「なんですか」 唯「今日りっちゃんの弟君の結婚式なんだって」 梓「そうなんですか。ああ、だから今日練習休みだったんですね」 唯「りっちゃん、今頃おいしい料理を食べてるんだろうなぁ。羨ましい……」 梓「そっちに憧れを抱くのは、唯先輩らしいです」 唯「他に何があるの?」 梓「花嫁、とか」 唯「花嫁、かぁ……」 梓「唯先輩?」 唯「あのドレス、かわいい……」 梓「やっぱり唯先輩は唯先輩です」 唯「ねぇ、あのお店見に行かない?」 梓「洗濯物、盗まれちゃいますよ」 唯「防犯カメラがあるよ」 梓「油断はできません。行くなら唯先輩一人で行ってください。私は残ります」 唯「え~。う~ん、しょうがないなぁ。ちょっと待っててね」 梓(唯先輩、まだかなぁ) 唯(あずにゃん! あずにゃん!) 梓(……。声は聞こえないけど呼ばれたような……。あ、唯先輩が手を振ってる) 唯(あずにゃ~ん、このドレスどう? かわいいでしょ!) 梓(……なんで着てるんですか) 唯(ねぇ、かわいい?) 梓(綺麗ですね。そのドレス) 唯(お姫様のドレスみたいだよね、これ) 梓(馬子にも衣装というか) 唯(ほらほら見て~) 梓(クルクル回らないでください、見苦しい。……意外と露出多いんだなぁ) 唯(でも歩きにくいなぁ) 梓(大人しく立っていられないのかな) 唯(あ、ポーズをとってみようかな) 梓(ブーケなんて持って来て何を) 唯(えへへ~) 梓(ブーケを胸の前に抱えてもそんな顔じゃ格好がつきませんよ) 唯(ふんすっ!) 梓(それもなんか違います) 唯(…………あずにゃん) 梓(……唯先輩) 唯(どう?) 梓「…………かわいいですよ」 ――― 唯「ただいまーっ」 梓「おかえりなさい」 唯「あ、こんにちはー!」 梓「え、あ、こんにちは」 唯「どしたの、あずにゃん」 梓(男の人……。いつからいたんだろう。全然気付かなかった) 唯「あずにゃ~ん?」 梓「あ、すみません。というか唯先輩、何やってるんですか」 唯「ほぇ?」 梓「ウェディングドレスです」 唯「ああ。私、あのお店のお客さん第一号なんだよ! だから特別に、自由に試着させてもらえたの」 梓「いいんですか。唯先輩、結婚の予定があるわけでもないのに」 唯「わからないよ? 一週間後、電撃結婚するかもしれないよ?」 梓「……誰とですか」 唯「さぁ?」 梓「唯先輩に限ってそんなことありえないです」 唯「え~?」 梓「はぁ。乾燥、まだ時間かかるみたいですね」 唯「そうだねー。というわけであずにゃん」 梓「はい?」 唯「あずにゃんもウェディングドレス着てきなさい。 今度は私が留守番するから」 梓「え……いえ、いいです」 唯「でも私、店員さんにもう一人来るって言っちゃったし……」 梓「また人の都合も聞かずに……」 唯「さあさ、いってらっしゃーい」 ――― 梓(来てしまった……。そして着てしまった) 唯(やっほー、あーずにゃんっ!) 梓(恥ずかしい) 唯(ほら、笑って。ポーズとって。クルッと回って) 梓(髪型までセットしてもらわなくてもよかったのに) 唯(アップのあずにゃんも新鮮だね。かわいいっ!) 梓(ドレスのふくらみが邪魔で足元が見えない) 唯(ちょこちょこ歩いちゃって。かわいいっ!) 梓(ん? これってよく見たら) 唯(あれ? あのドレスもしかして) 梓(唯先輩が着てたのと同じ?) 唯(私が着てたやつ?) 梓(店員さんに聞いてみよう) 唯(私がさっきまで着てたのをあずにゃんが……) 梓(あ……やっぱりそうなんですか) 唯(あずにゃんの方がかわいいね! 私より) 梓(なんだか変な気分) 唯(かわいいからいいんだよ、あずにゃん) 梓(唯先輩、さっきから「かわいい」としか言ってないような。気のせいかな) 唯(でも、顔がよく見えないなぁ。ベールがジャマで) 梓(喜べばいいのかな? でも違うことも言ってもらいたい。……違うことって何よ) 唯(ん? あずにゃんがベールを?) 梓(自分でベールを上げるのはおかしいかもしれないけど……) 唯「…………綺麗だよ、あずにゃん」 梓「……なにやってるんだろ、私」 ――― 唯「おかえりー」 梓「戻りました」 唯「かわいかったよー……ってあれ?」 梓「……おみやげ、だそうです」 唯「……ドレスって高いんじゃないの?」 梓「お客さん一号二号だし、二人に良く似合ってたからあげる、だそうです」 唯「気前がいいですな~」 梓「元々売り物ではなかったそうです。店長さんが試着者にプレゼントするために用意してたとか」 唯「そうなんだー」 梓「さ、乾燥も終わったみたいですし帰りましょう」 唯「うん」 唯「お、晴れてきたねー」 梓「はい。明日も晴れてほしいです」 唯「でも雨だったらまたランドリーに行って、それからあのドレス屋さんに行く口実ができるよ」 梓「デパートの試食品じゃないんですから。そんな気軽に試着しに行ったら迷惑ですよ」 唯「じゃあ次はいつ行こっか」 梓「それこそ結婚が近くなってからでいいんじゃないですか」 唯「いつになるんだろう」 梓「当分はないでしょうね」 唯「え~、あの店員さんにまた会いたいよ~」 梓「じゃあ迷惑がかからない程度に会いに行けばいいんじゃないですか」 唯「そうだねー。あずにゃんも一緒にね」 梓「……貰いものがありますからね。お礼は言いに行かないと駄目ですよね」 唯「今日は楽しかったね」 梓「はい。パーカーにスウェットで入るようなお店じゃありませんでしたけど」 唯「おままごとみたいだったけどさ」 梓「そうですね」 唯「でも、綺麗な花嫁を見れたよ!」 梓「私もかわいい花嫁を見れました」 唯「あはは」 梓「ふふ」 唯「ランドリーにいた男の人には奇異のまなざしを向けられてたけど気にすることないね!」 梓「……そこは気にします」 ※終わり 戻る あとがき 今まで読んでくださった皆さん、申し訳ありません 1の力不足のため、これ以上続けることができません 中途半端ですが、このスレはここで終わりたいと思います 本当にすみません。そしてありがとうございました
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律「……」 紬「今日のおやつはフルーツタルト♪」 唯「やったぁああムギちゃんはやくはやく!はやくぅうう」 紬「ちょっと待っててね、お茶淹れちゃうから…」カチャカチャ 唯「りっちゃん今日はたるとだって!やったね!」 律「ん?あぁ…(結局放課後になってしまった……)」 律「梓遅いな」 唯「えー、まだ授業終わってからちょっとしか経ってないよ」 律「そ、そうか」 律「……」ソワソワ 律「遅いな」 唯「さっき遅いって言ってから10秒しかたってないよりっちゃん」 律「えっ、そうか?……」 ガチャ 律「!!」 梓「おつかれでーす」 唯「あっ、あずにゃーん!やっほーもうお茶の準備できてるよぉ」 梓「うわーおいしそうですねー」 紬「梓ちゃんのカップ出してくるわねー」 律「お、遅かったな。何してたんだよ」 梓「何って別に…ホームルーム終わってからすぐ来ましたよ」 律「えっ、そうなのか?」 唯「ほらだから別に遅くないって言ったのに」 梓「なんですか?」 唯「りっちゃんさー、さっきからあずにゃん遅い遅いって言ってばっかりで」 梓「そうですか」 律「……」 梓「ん、澪先輩来てませんね」 紬「掃除当番とか?」 唯「そのうち来るよぉ、ムギちゃんもう食べていい~?」ソワソワ 紬「ふふ、いいわよ唯ちゃん」 唯「やったー!いただきまーんもす!」モグモグ 紬「はい梓ちゃん、お茶」カチャ 梓「どうもですー。いただきまーす」ズズー 梓「おいしいです」 律「……」 梓「なんですか?律先輩のは目の前にありますよ」 律「あ、あぁ……」カチャカチャ 唯「澪ちゃんも早く来ればいいのにー」モグモグ 律「そうだな、ほんとだよ。何してんだあいつ」 梓「不良にでも絡まれてたり……なんちゃって」 唯「あずにゃんそれ笑えないよぉ~」 梓「そうですか~?」 … 唯「でさー、ういが全裸で寝ててね~」 梓「うわぁほんとですかそれ」 紬「唯ちゃんその話もっと詳しく聞かせて!」 唯「へへ、どうしよっかなぁ~」 律「…澪おせーな」 唯「? あ、そういえばそうだね、まだ来てないね」 紬「今日は来ないのかなぁ…何か急用でも出来たのかしら」 唯「そ、そうなのかなー!それじゃあさぁ…その……」ゴクリッ 梓「あっ、澪先輩のタルト狙ってますね!」 唯「あれええばれた?たはーっ!」ペチン 律「だめだ残しとけ。来るから」 唯「えっ、そうなの?遅れて来るって言ってた?」 律「いや、電話する」ピッ 紬「そこまでしなくても…何か用事があるんだったら邪魔になっちゃうんじゃ」 律「いいよ別に」 梓「だめですよ迷惑ですよ」 律「……」 梓「律先輩」 律「な、なんだよ」 梓「律先輩」じぃぃ… 律「うぐ……」 律(…言いたいことは分かるけどっ……) 唯「な、なに?どしたの?」 律「……分かったよ…やめる…」ゴソッ 唯(……た、食べていいのかなぁ……) 唯「りっちゃ~ん…?」モジモジ 律「…食べていいよ」 唯「! ほんまでっかー!ありがとうございやーす!」 梓「あーっ!私も欲しいですよ~」 唯「分かってるよぉ、ちゃんと分けるってぇ……へへ」 梓「あーんしてくださいよー」 唯「うぅ、いいけど……あーん」ヒョイ 梓「もぐ」 梓「おいひいれす」モグモグ 律「はぁ……」カチャ 紬「りっちゃんお茶おかわりいる?」 律「あー…いいや。ありがと」 紬「そう? …それで唯ちゃんさっきの話の続きなんだけど…」 律(馬鹿澪……どこほっつき歩いてんだよ…) 唯「結局来なかったね澪ちゃん」テクテク 紬「そうね…一言いってくれればいいんだけど…」 梓「来ない時っていっつも何もいわないですよねー」 唯「むだんけっせき!」 紬「来週は来るわよ、きっと」 梓「そうですね」 律「…それじゃおせえよ……」 唯「? りっちゃん何か言った?」 律「別に……」 梓「…あ、じゃあ私ここらへんで~」 律「!」 唯「うん、じゃあね~あずにゃん!またね~」 紬「梓ちゃんまた来週~」 律「あ……ぅ…」 梓「それじゃあ皆さん、さようならです~」 律「」 唯「ばいば~い!」フリフリ 律「…………」 唯「ふー、行っちゃった。 …あれ?りっちゃんどうしたの?震えてるよ」 律「……ぅ……」 紬「な、泣いてるの?りっちゃん大丈夫…?どこか痛いの?」 律「…なんでもっ…ない……」グス 律「だ、大丈夫だから。私も帰るよ……またな」タッ 紬「あっ」 唯「行っちゃった…」 … 梓「こんな世界でも~見上げ~りゃ♪」テクテク 梓「月が輝~く夜~さ♪っと」テクテク 梓「さてと…どうかな?」チラ 澪「……」ボケー 梓「いたいた。やっぱりね」 梓「澪せんぱーい」 澪「……」ボケェ 梓「あら、スイッチ入っちゃってるよ」 梓「聞こえてますかぁ~。カチューシャつけちゃおう」グイッ 澪「っ!? ぅばはっ!!な、何っ!?」バッ 澪「うわぁああ梓いつの間に!!」 梓「たまたま見かけたんで…」 澪「う、う、嘘つけ!何がたまたまだ!」 梓「そうですよ~、嘘ですよ。今日は先輩に会いに来たんです」 澪「は?」 梓「この間はびんたしまくっちゃってごめんなさい」ペコリ 澪「あ、あぁ……いいよもう別に…」 梓「えー、よくないから部活こなかったんじゃないですか?」 澪「……き、気分だ気分」 梓「うそだぁ。素直じゃないですね」 澪「……」 梓「ごめんなさい。許してくださいよー」 澪「分かったって、もういいよ…部活出ればいいんだろ?」 梓「へへ、ほんとですか?どうもです」 澪「っていうかそれ言いに来たのか?じゃあもう行けよ気が散るだろー」 梓「座ってもいいですか?」 澪「だめだめ!一人で考え事してるんだよ!」 梓「座りまーす」 澪「こらっ!」 梓「いいじゃないですか、考え事とか言ってもどうせしょぼくれてただけですよね」 澪「よ、余計なお世話だ!」 梓「あはは、ですよね~」 澪「なんなんだよ……」 梓「なんなんですかね~」 澪「……お前なんで外だと私と居たがるわけ?」 梓「先輩は私と居るとつまんないですか?」 澪「…つ、つまるとかつまらないじゃなくて……」 梓「ふーん、じゃあつまんないわけじゃないって事ですかー?」 澪「……いやだから、なんていうか…へ、変な事聞くなよな」 梓「私は先輩といると結構おもしろいですよ」 澪「え゛っ!?」 梓「あははは何ですかその反応~」 澪「……面白いって何が?どのへんが?」 梓「あれ、気になるんですかー?」 澪「なっ、なるわけないだろバーカ!うるさいんだよ静かにしてろっ」 梓「はーい」 澪「ったく……まぁ居たいなら好きにしろよ、もう」 梓「どうもです」 澪「…………」ホゲー 梓「…………」ボケー 梓「はっ!」ジュル 梓「あっ、そろそろ9時だ。澪せんぱーい」ペチペチ 澪「……んがっ」 澪「な、なんだいいところだったのに…」 梓「そろそろ9時です!」 澪「…だから何だよ」 梓「らーめん食べにいきましょうよ、お腹すきました」 澪「は?なんで梓と一緒に」グゥー 澪「あ」 梓「ほら先輩もおなかすいてるじゃないですか。行きましょうよ」 澪「……今月お金使いすぎてるから控えてるんだよなー」 梓「今日だけ!今日だけ行っちゃいましょうよー、記念ですよ!」 澪「はぁ?何の」 梓「えーっとー…先輩が静かな時間を取り戻すぞ記念!みたいな」 澪「何言ってんだ……奪った張本人が…」 梓「へへへへまぁそうなんですけどー」 澪「うーん…」チャリチャリ 梓「じゃあ私半分出しますよ」 澪「え、ほんと?じゃあ行こう」 梓「うわぁっ、変わり身早っ!」 澪「うるさいなー」 梓「まぁそういう所も澪先輩って感じですねー」 澪「知るか。お前だって人のこと言えないだろ」 梓「ヘケッ」 澪「ヘケじゃないっての」 澪「ラーメン二つねー」 店主「あいよ」 梓「お金…」ゴソゴソ 澪「あーやっぱりいいよ、全部自分で払うわ」 梓「あれ、いいんですか?」 澪「好きなめし屋は例え半分といえどおごられない主義だったんだ」チャリン 梓「何ですかそれ…澪先輩ってなんか変なこだわりもってますね」チャリン 澪「へ、変っていうなよ!矜持というやつだ!」 店主「んじゃこれ札ねー」 澪「ども」 梓「どうもです」 澪「この札もらうとわくわくしてくるなー!おなかも一段と減ってきた気がするぞー」 梓「あはは、来てよかったじゃないですか」 澪「う、うるさいな……」 店主「25番と26番お待ち~」 梓「あ、出来たみたいです」 澪「よーし食べるぞー!」タッタッ 澪「にんにくはいいや、コショウだけ」パッパ 梓「チョモで…」モリモリ 澪「前も言ってたな。何だそれ」 梓「ちょもらんまです」 澪「…って何」 梓「山盛りとかそんな感じですよ」 澪「ふーん、変なの」 梓「よっと…こんなもんかなー」 澪「うわっ、盛りすぎだろ!既ににんにく臭い…」 梓「ラーメンはにんにく入れないと始まりませんよー」 澪「限度ってものがあるだろ……ぅぷ」 澪「あ、おしぼり取ってよ」 梓「あれこれ取っていいんですか?」 澪「いいんだよ」 梓「へー。どうぞ」 澪「サンキュー」 梓「…じゃあもしかしてこのコップも使っていいんですか?」 澪「いいんだよ。知らなかったのか」 梓「だ、だって教えてくれないから…なんだじゃあ水飲めるんだー」ジャー 澪「基本立ち食いだから使う人あんまりいないんだよな。置く場所的に」 梓「別に私地面に置くのとか気にしませんよ」 澪「ふーん」 梓「じゃあ戻って……あっ!座ってたベンチ取られてる!」 澪「まぁ仕方ない。大体こんなもんだ」 梓「失敗したなー、一人ずつ取り行けばよかったですね」 澪「え?何で……あっ!(そうか、いつもぼっちだから全然気が付かなかった…)」 梓「また縁石ですかー」 澪「私はガードレールでもいいけど梓チビだから微妙だな」 梓「むむ……」 澪「あれ、怒ってる?w」 梓「怒ってないですよ」 澪「うはwチビって言われるの嫌なのか?w」 梓「……」 澪「チビ梓wチービwははは!」 梓「恥ずかしくないんですかねそんな悪口で年下いじめて…」 澪「」 澪(ちょっと悪ノリしただけなのに……) 澪梓「いただきまーす」パチン 梓「あっ!」 梓「見てくださいよー、きれいに割れましたよ!ほら」 澪「チッ…」 梓「あれ、今舌打ちしました!?」 澪「別に」 梓「…あ、澪先輩の変に割れてますね。もしかして悔しかったんですか~w」 澪「ち、違うし!勝手に喜んでろ!」 梓「箸割りの乱れは心の乱れと言って…」 澪「それ前に私が言ったやつだろ!」 梓「へへへ…」ズズルー 澪「……」ズズルー 澪「ん~染みるねぇー」 梓「おっさんみたい…」 澪「…………」 梓「……」ズル… 澪「……」ズルルー 澪「あのさー……」 梓「はい?」 澪「…今日はどんな感じだったんだ?」 梓「え」 澪「ぶ…部活だよ」 梓「あれ、気になるんですか?」 澪「……」 梓「皆先輩が何で来ないのかなって気にしてましたよ」 澪「ほ、ほんとか?」 15
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気がつくと、目が熱かった。 唯「あれ……?」 それに視界も霞むから、目を何度も何度も擦った。 唯「……なんで……」 憂とはもうこれでおしまい。 今まで一緒にいたのも、一緒に笑ってきたのも、今日で終わり。 これから憂は、わたしのところにはいられない。 わたしがいられなくしたんだ。 それがどんなに辛いのか、まだまだわかってないのに辛かった。 唯「……うい……」 泣いてなんかいなかったけれど、目を拭った服の袖は濡れていた。 ── ──── 部屋の戸を閉め、ベッドに沈む。 憂「……」 お姉ちゃんは、わたしの言葉を遮った。 たぶん、なにを言うのか分かってたんだ。 わたしはどんなにばかなことだったかも知れず、勢いのままに言おうとした。 お姉ちゃんに抱くこの気持ちは、ずっと胸に秘めていたものだったけど、ただあの状況がいやでつい口から漏れた。 憂「ばかだな、わたし」 だからお姉ちゃんはそんなばかな自分を止めてくれたんだ。 わたしのお姉ちゃんだもんね。わたしのことはお見通し。 こんな気持ちはだれにも言っちゃいけないんだ。 お姉ちゃんにだって。 憂「……」 明日、梓ちゃんからのお話。 聞きたくはなかったけれど、聞かなきゃいけないのは分かってた。 ──朝。 いつも通りにご飯を作って、いつも通りにお姉ちゃんを起こしにいく。 いつも通りにしなきゃ。 憂「お姉ちゃん、起きて」 でもやっぱりできなくて、お姉ちゃんの体に触れなかった。 唯「うん……」 いつもよりはやく帰ってきた返事は、わたしに出ていってと言っているようで、わたしはすぐに部屋を出る。 憂「じゃあ着替えてきてね」 唯「……」 返事はない。 毎朝のことだけれど、わたしにはそれがとても苦しかった。 憂「あ、おはよう……」 唯「おはよう……」 いつもなら待ってるのに、今日はもうご飯は済ませた。 なんだか、お姉ちゃんに合わせる顔がなかったんだ。 一足先に家を出た。 お姉ちゃんには、用事があると嘘をついて。 憂「……」 学校に行きたくなかった。 お姉ちゃんと笑って、いっしょにいられればよかった。 なのに昨日あんなことをしてしまった。 全部、わたしが悪いんだ。 憂「そうだよ……」 こうなったのは、わたしのせい。 自分を責めて責めて、もう心が限界だったけど、これ以上迷惑かけたくないからなんとかこらえた。 いつもふたりで通っていた道を、ひとりで歩く。 けれども体は、倍より重い。 足は、ただ意志もなく進んでいた。 「あっ憂おはよう」 教室へ入ると、声をかけられた。 憂「あ、梓ちゃん。おはよう」 梓「う、うん」 いつものように交わす返事だけれど、どこかぎこちない。 わたしはでも、なにも変わらず振る舞った。 梓「きょ、今日のこと……」 憂「うん、わかってるよ。放課後ね」 梓ちゃんが緊張しているのがわかった。 梓「ありがとう!じゃ、じゃあね」 そそくさとわたしから逃げるように梓ちゃんは去っていく。 一度も目は合わせなかった。 そのことに、なんだか罪悪感を感じ、後ろ姿を目で追った。 憂「……」 わたしだって、割りきらなきゃ。 授業は頭に入らなかった。 どうみても集中できていない梓ちゃんとか、なんだかよそよそしい純ちゃんも気になったけど、わたしの頭には何も入らない。 お姉ちゃんのことも考えた。 今頃どうしてるかなとか、課題わすれてないかなとか、今のわたしはそれだけの余裕しかない。 どうすればいいのか分からないんだ。 こういう時、いつも頼りにしてたのはお姉ちゃんだから。 だからどこにも頼れる当てがなくて、泣きそうにもなったけど、泣いたって誰も助けてはくれない。 それに、これは自分で作った状況だ。自分でなんとかしなきゃだめ。 心を奮い立たせて気を保とうとするけれど、辛くて辛くて折れそうになる。 お姉ちゃん。 どれだけ大切だったのか、分かってなかったのかな。わたし。 そんなことを考えているうちも、時間はあっという間に過ぎて、放課後のチャイムが鳴り響く。 次々と出ていくクラスメイトたちを横目に、空を見た。 憂「ちゃんと決めなきゃ」 もうあとは、自分で責任をとらなきゃいけないよ。 しばらくして、人気のなくなった教室に、ふたりだけ。 どこからともなく口を開いた。 憂「もう平気かな」 梓「う、うん」 声色が震えてる梓ちゃんを見ると、手も震えてた。 そんなにならなくても、平気だよ。 梓「う、憂」 憂「はい」 梓「わ、わたし……」 そうだよね、わたしがしっかりしなきゃ。 梓「えと……その」 だから大丈夫、大丈夫だよ。梓ちゃん。 梓「憂のこと、好きなの!」 そっか。 梓「だから、もしよかったら、つ、付き合って……ください」 梓ちゃん、わたしのこと好きなんだ。 梓「あ、あの……?」 うれしいな。そんなこと思われてるなんて。 憂「ありがとね、梓ちゃん」 梓「……い、いや」 憂「わたし……」 こんなに幸せなのは、すごく久しぶりな気がする。 梓「……」 ほら、梓ちゃんがわたしをの言葉を待ってる。 わたしだって、いつまでもお姉ちゃんなんて言ってられないよ。 憂「……」 今までありがとね、お姉ちゃん。 憂「わたしは……」 ……大好きだったよ。 ── ──── 唯「ただいま」 誰もいない部屋に呼びかける。 いつもなら、あの子が迎えてくれる。でも、もういつもじゃないんだ。 部屋のカーテンは閉めきって暗いまま、ベッドに倒れ枕に顔を突っ込んだ。 唯「憂……」 返事もあるはずのない名前を呼ぶ。 だめだよ、もうあずにゃんのところだもん。 唯「……うい……」 呼んだって、来てくれるわけじゃないんだよ。 唯「うい……いや、やだよ……」 ばかみたい。自分のせいでしょ。 唯「おねがい……もどって、きてよぉ……」 悲しくて悲しくて、涙が止まらなかった。 それでもわたしは、ずっとひとりのまま。 ── ──── 夕焼けがオレンジに照らす道を、ふたりで歩いてた。 憂「ね、梓ちゃん」 梓「は、はい?」 まるで機械のように動く梓ちゃんの横顔は、淡く染められてとってもきれい。 憂「手、繋いでいい?」 梓「えっ?え?」 そんな初々しいところもまた新鮮で、わたしから手を取った。 梓「あっ……」 憂「えへへ」 梓「あ、ありがと……」 憂「んーん」 梓「……憂、わたしね」 憂「なあに?」 梓「……憂のこと……」 そして、 夕焼けがかなわないくらい、顔を真っ赤にした梓ちゃん。 わたしの顔は、どうなってるかな。 今握ってる手は、いつもとは違うけど、 これからは、これがいつもの風景なんだ。 それをわたしは、その手に想いを込めるよう、 強く握って確かめた。 おしまい。 戻る
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「急になんですか師匠」 鈴仙は永琳に呼び出されたのである 深夜の3時に 「これをみなさい」 と、永琳は両手のゆっくりれいむ見せる どこをどう見ても普通のゆっくりである 「はぁ…ゆっくりれいむですね」 「そう…見た目はね…」 え?という鈴仙の声を無視しおもむろに包丁でゆっくりれいむを真っ二つにする永琳 れいむの「どおぼじでえええ!」と言う叫びが響き渡りゆっくりれいむは丁度真ん中から二つに分かれる 「ちょ、なにやってるんですか!?」 「「ゆっくりしていってね!」」 「は?」 と鈴仙はゆっくりに目をやる。 そこにはゆっくりれいむが二匹 大きさは丁度先ほどのれいむの半分ほど 「ふふふ…なんと切られると半分の大きさで復活するゆっくりの開発に成功したわ!」 歓喜の声をあげる永琳 鈴仙はと言うとれいむを見比べ、そのれいむは 「ここどこー?」 「おねえさんたちはゆっくりできるひと?」 先ほどのことを覚えていない 「体積が丁度半分のゆっくりになるのよ」 さらに包丁で半分にする 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 4匹の子れいむになった 「あれ?最初は成体だったのに…」 「ゆっくりは餡子の量で知能が決まるみたいだからこうなるのよ」 そして、4匹のゆっくりは八匹の赤ゆっくりに 「「「「「「「「ゆっくりちていっちぇね!」」」」」」」」 「凄いですね…でもこれでどうなるんですか?」 「まぁ、見てなさい」 永琳はオレンジジュースを8匹の赤ゆっくりにかけこねくり回す そうするとなんと元の成体のゆっくりれいむに戻っている 「実はこの子。元に戻すときに違うゆっくりを混ぜてもいいのよ」 と語るはマッドサイエンティスト 要するに8匹のうち2匹はまりさでもよいとのこと 「ただ、過半数は元のゆっくりじゃないと形を維持できないのよね」 「はぁ…けど、一体何のために?」 「里の方でペットにするの流行ってるじゃない?何でも自己でゆっくりが死ぬのを何とかしてほしいって 頼まれたんだけど。元の強度は上げようが無いからこうしたわけ」 「ゆっくりしていってね!」 鈴仙はゆっくりを持ち上げ上から底面までじっくりと見定める どうやら普通?のようだ 「例えば、包丁なんかで半分にされてもこれなら元に戻せるから。それに他のゆっくりを混ぜたら その性質を受け継ぐわよ」 ここでゆっくりれいむに帽子を渡し水槽の前に置く するとれいむはまりさの用に帽子を舟代わりに水槽でぷかぷかと浮いている 「と言うわけだからあとはよろしく」 「って師匠、よろしくって言われても」 「貴方はこれからこの子の観察をお願い。まだ実験の途中だから何が起こるか分からないから それと私は寝るわ」 その後、鈴仙が床に付いたのは昼過ぎだという… 名前 コメント